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ルシアン・ヴァイレル視点

廃墟と化した神殿には、未だに灰と鉄の臭いが立ち込めていた。ヴァエラの血は俺の手の上で乾き、俺が感じることを拒んだ罪悪感のように、ぽろぽろと剥がれ落ちていく。彼女は愚かだった。執念深かった。だが、俺のものだった。そして今はもういない。

俺は闇の聖杯を覗き込む。今は空っぽだ。冷たい。彼女は、うまくいくと約束した。エロウェンは我々のものになるはずだった。だが、そうはならなかった。女神に印されしあの女狐めは、またしても我々の指の間をすり抜けていった。

「『錠(ロック)』を寄越せ」俺は唸る。その声は、山麓の聖域に広がる、骨が肋骨のように並ぶ広間に反響した。これは依頼ではな...

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