モリガン

エロウェン視点

カーブを曲がるとSUVが這うような速度に落ち、そして……「なんてこった」と、後部座席からライレンが呟いた。

森が、まるで夢によって切り開かれたかのように割れていた。そびえ立つ松の木々が未舗装路の端で頭を垂れ、その真正面にはゴシック様式の熱に浮かされた夢の中にでも出てきそうな錬鉄の門がそびえ立っていた。古びて錆びついた黒い門には銀の筋が脈のように刻まれ、まだらな光の下で微かにきらめくルーン文字を形作っている。

「呪われたおとぎ話って感じね」タヤが目を丸くして言った。「喋る鏡はどこ?」

「リンゴを差し出されても、食うんじゃないぞ」ダクソンが唸る。

アシュリアンが身...

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