はい!!

ターヤ・クイン視点

部屋に入った瞬間、自分の男があまりにも素敵すぎて、覚悟ができていなかった。なんていうか、その場で完全に動きが止まってしまうレベルの格好よさだ。ドアがきしむ音を立てて開き、あたしがヒールの文句を言おうとした、まさにその時――凍りついた。

ライレン・ヴェリック。ミスター・無愛想、いつも不機嫌、半分野獣のベータが、そこに立っていた。とんでもないことに、タキシード姿で。タキシード。仕立てのいい黒。ダークなシャツ。ネクタイはなし。胸元のボタンがいくつか開けられていて、日に焼けた肌と、あたしが噛むのが好きなあの鋭い鎖骨のラインがほんの少しだけ覗いている。

しっかりしろ、ターヤ!

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