イーブルグローズ

ヴァレク・ドレノス視点

『錠(ロック)』の間の扉が、まるで棺の蓋のように軋みながら開いた。俺はルシアンの後ろについて中へ入った。彼のオーラはすでに腐臭と煙のように広がり、誇りと血への渇望で濃厚に満ちていた。俺にはそれが感じられた。奴らにも。

『錠(ロック)』。

ルシアン配下、五人の最古参ヴァンパイア。都市よりも古く、疫病よりも死を振りまき、そして、どうしようもなく下らない連中。

奴らは顔を上げた。それぞれの表情に、傲慢さと飢えが様々な色合いで浮かんでいる。ダマエルは輝く赤い液体が入った小瓶を弄んでいる。ヴァリラは唇を舐め、俺を見てにやりと笑った。カレスは相変わらず黙ったまま、ただじっと...

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