ダスクウェル

タヤ・クイン視点

ダスクウェル潜入

ダスクウェル郊外の焦げ付いた大地にブーツが触れた瞬間、内なるズキが目覚めるのを感じた。単なる痙攣や唸りではない。背骨を雷鳴のように揺さぶる、全身から絞り出すような咆哮だった。

『ここは邪気に満ちている。死。血。引き裂かれた無垢。反吐が出る』ズキは牙を剥いた。

「ああ、同感よ」私は呟き、仲間たちを見回した。

ライレンが隣に屈み込み、真剣そのもののベータの頭脳で周囲を警戒している。その黒い瞳は完全に仕事モードで、全身の筋肉は今この場でシフトしかねないほど張り詰めていた。ジェイスは壊れた石碑の隣に膝をつき、すでに両手にブレードを握りしめ、その瞳はかろう...

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