キッド・カオス

エロウェン視点

ドラゴン城

西翼

「まったく」と私は呟き、袖についたドラゴンの煤を払い落とす。「発情したサイみたいに唸り合って威張り散らすだけの戦争会議にもう一度でも出なくちゃならないなら、私、何かに火をつけてやるから」

ターヤが隣で鼻を鳴らし、鮮やかな赤毛の三つ編みを肩越しに払った。「あんた、それ毎回言ってるじゃない」

「それでも行かせるくせに」と私は真顔で返した。

アマリスがくすくす笑い、私の腕に自分の腕を絡ませてきた。私たちは子供たちの医療テントがある方へと廊下を曲がった。「だって、あなた本当に火をつけるじゃない。それも魅力のうちよ」

「そそのかさないでよ」ターヤがふざけて肘で...

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