第34章 去る

翌朝、アラームが鳴ったのはきっかり午前6時だった。

エヴァは手を伸ばしてスマホを探り、指先に先に触れたのは一枚の紙だった。

折りたたまれている。二度、きっちりと。スマホの下に挟まれていた。ホテルのメモ用紙――ロゴ入りの、あの手のやつ。

エヴァはそれを引き抜き、開いた。

黒のサインペン。たった四文字。筆圧が強く、止めが鋭い。

「7時、屋上」

署名はない。けれど、この字は覚えがある。セバスチャンの筆跡は、運転と同じだ。コーナーへは乱暴に突っ込み、立ち上がりは速い。余計な力が一画ごとに残っている。

このメモはフロント経由で渡されたらしい。つまり、昨夜か今朝方に一度来て、部屋までは上が...

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