第41章 嫌がらせ

彼は終始、飄々としていた。まるで気の利いた冗談でも言っているみたいに。

だが、この場にいる誰もが知っている。こいつ――ライアンは界隈でも有名なプレイボーイだ。

客席がざわつき、顔を見合わせる。

このライアンが、女選手にここまで露骨な口説き方をするなんて。しかも――カメラが回っているのに。

レンズがエヴァへ寄る。

エヴァはライアンを見たまま、マイクを取った。

「結構です」声は凪いだ水面みたいに淡々としている。「その3点、いりません。ありがとうございます」

スタジオが、死んだみたいに静まり返った。

ライアンの笑みが固まる。マイクを握る指がきゅっと締まった。

客席のアイヴィーは、...

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