第49章 激しいキス

エヴァは彼を見つめた。

この男は傲慢で、横暴で、世界をねじ伏せるみたいに生きている。なのに――彼のそばにいると、今まで味わったことのない安全が胸の奥に落ちてくる。

エヴァはまぶたを伏せ、瞳の底の揺れを隠した。

「……ありがとう」

「口先の礼なんかいらない」

セバスチャンはくわえていた煙草を外し、灰皿代わりのテーブルに乱暴に押しつけた。立ち上がり、エヴァの前へ来る。

腰を折り、ソファの肘掛けに両手をつく。逃げ道を塞ぐように。距離が一気に詰まった。

「キャサリンの契約は法務が確認した。条件も悪くない。だが――断れ」

有無を言わせない声音。

エヴァが顔を上げる。

「それは私の仕...

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