第59章 他人に私の物を触られるのが嫌い

「他人に、俺のものを勝手に触られるのが嫌いなんだ」

セバスチャンは左腕でエヴァの腰を抱き寄せた。

「まして、おまえみたいな下水のネズミにな。ヴァンス・グループが欲しい? おまえじゃ、俺の防衛線ひとつ破れない」

言い終えるより早く、彼はタクティカルチームの隊員のベストから小型の高性能手榴弾を抜き取る。親指で安全ピンを弾き、アーサーの足元へ正確に放り投げた。

「まとめて地獄に落ちるか――おまえだけ先に逝くか、選べ」

セバスチャンは背を向け、エヴァを抱いたまま大股で出口へ向かう。

手榴弾が金属床で、かん、かん、と二度跳ねた。澄んだ衝突音。

アーサーの顔から血の気が引く。反射的に横の防...

ログインして続きを読む