第106章

「ジェイス!」

夜。ネロがあのクラブから二度目に出てきたところで、携帯が鳴った。

「おい、そこで何ウロついてんだ」

アランの声だった。

「てめえ、今すぐ来い!」

ネロは反射的に周囲を見回す。通り沿いに停まった車の窓ガラスがすっと下がり、中から誰かが手を振った。ネロは駆け寄ってドアを開ける。

後部座席、運転手の後ろにももう一人いる。

アランはネロをそのまま署に連れ戻し、いちばん奥の個室に押し込んだ。

「一日でも誰かに抱かれねえと死ぬのか?」

アランが低い声で吐き捨てる。

「わかってんのか。あそこ、危ねえんだぞ」

ネロは目を丸くし、話をずらした。

「東区で張り込みしてたの...

ログインして続きを読む