第120章

薄暗い曲がり角。真夜中の風が吹き込み、肌にひやりと触れた。

車内では、イヤホン越しにときおり小さな呼びかけと応答が混じる。各班、異常なし。

東区署の中は相変わらず慌ただしい。

ネロは、手描きの配置図をコピーした紙を手にしていた。

「10時から1時までは班ごとに張り込み。1時から3時で半分引き上げて、後方支援を置いて釣る」

ネロの指が地図の要所――数本の通りをなぞり、弧を描く。確認するようにアランを見た。

「危険すぎる!」

アランの目に宿る熱を、ネロははっきり感じ取った。

「俺なら対処できる」

言い切った直後、ほんの一瞬だけ迷いが差す。それでもネロは、口の端をつり上げて軽く笑...

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