第145章

「……この調査の発端は、ラニールが当時、内務にちょっとした報告を上げたのがきっかけだった。最初は却下されたんだが」

車は淡々と夜道を滑っていく。ネロは結局、自分から内務の調査の話を切り出した。

「その後、ハサンの件でまた掘り返されてな。さっきも真夜中まで呼び出されて事情聴取だ。現場であれだけ死者が出た以上……」

言い淀み、ネロは短く息を吐く。

「どう考えても単純じゃない。だが、だからってどうする? 筋の通る説明を用意して、しばらく経てば――いずれ収まる」

ハサンの名が出た瞬間、アランの脳裏にエミットがよぎった。胸の奥がわずかに跳ね、反射的にネロを見る。

ネロはそれを即座に察し、言...

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