第151章

ネロは力なくドアを閉めた。客引きの文句だ。なのに、自分の口からするりと出てしまった。しかも――アランに向かって。

あの男の前で、自分がどれだけ卑しくなり果てているかは分かっている。けれど、ほかにどうしろというのだ。

いつか、こんなことをしても誰にも相手にされなくなったら――そのとき、お前はどうする?

自分に問いかけた瞬間、視界がかっと熱くなる。ネロは俯いたまま扉の内側に立ち尽くし、身体が石になったみたいに動けなかった。

不意に背後のドアが、どんっと乱暴に押し返された。

ネロは扉のすぐ裏にいることを忘れていて、重い板に肩をぶつけられ、慌てて身をかわす。アランが上半身を突っ込むようにし...

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