第160章

だが意外なことに、昨年の年末になって、ネロがまた彼のもとを訪ねてきた。

約束したのは、あの夜――ジェットマンのプライベートな時間だった。

「何か飲むか?」

挨拶もそこそこに、ジェットマンが訊く。

「いつものやつ」

ネロは笑って答えた。

「いつもの場所にある」

ジェットマンが言う。

ネロは立ち上がり、自分で茶を淹れに行った。まるで二年も音沙汰がなかったなんて嘘みたいに、先週会ったばかりのような動きだった。

ジェットマンは、ネロが席に戻るのを見届けても、あえて何も訊かない。話すべきことがあるなら、本人の口から出てくるのを待つ。

「――ひどい不眠なんだ」

ネロが口を開いた。

...

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