第171章

前方の車内で、ネロが銃を持ち上げるのが見えた。すると匪徒たちは、またスーシーを盾にして前へ突き出してくる。

車体は走りながら左右に激しく揺れ、スーシーはアランの車が詰めてくるのを見て、本能のまま必死に暴れた。ネロの銃口がまっすぐこちらへ向く。誰を狙っているのか判然としない。そのせいで匪徒たちも動揺し、スーシーを自分たちの側へ引き寄せようと、乱暴に左右へ引っ張り合った。

混乱の最中、誰かがスーシーの脇腹のあたりに一発撃ち込んだ。ヒュッ、と乾いた音。弾丸はネロの額すれすれをかすめて飛び去ったが、ネロは顔を強張らせたまま、銃身を一ミリも揺らさない。

その瞬間――十数メートル先の車内にいる者全...

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