第172章

ネロはアランの頭上へ飛びかかってきた二人を叩き落とし、同時に開けた草地へも目を配りながら立て続けに引き金を絞った。乾いた銃声が跳ね、匪徒たちは草むらの陰に押し込められて、もう軽々しく前へ出られない。

だが、もっと厄介なのが来た。ネロの脇の斜面――側面から、さらに人数が雪崩れ込んでくる。アランの銃が間髪入れずに鳴り続けた。

一瞬、ネロは視界の端に、すぐ隣まで迫った匪徒の体を捉えた。振り向きたい衝動を噛み殺す。案の定、次の刹那にはアランの弾が耳元で唸り、そいつらは悲鳴を上げて倒れ込んだ。

ネロはもう一度、草地のヨモギの影で人影が揺れたのを見た。

――その瞬間。

向こうで、アランが最後の...

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