第173章

そのときだった。全員の頭上――上り坂の頂から、乾いた、澄んだ銃声が一発、弾けた――。

斜面のどこかで、誰かがずしんと倒れ込む音。

間髪入れず、二発目。襲撃者のひとりが悲鳴を上げ、崩れ落ちた。

三発目は、ネロの真上だった。頭から血を噴いた男が、スーシーとネロのすぐ脇を転がり、万丈の断崖へと吸い込まれていく。

ネロは、落ちていく身体を見つめた。

空中で手足がほどけ、枯葉みたいにひらりと回る。その一瞬が、なぜか異様に長い。長すぎて――見えてしまう。弾痕が、頭頂を正確に穿っている。悲鳴を上げる暇すらなく、意識は断ち切られたのだと。

崖っぷちから、ゆっくりと沈んでいく影。

空気の中で、頭...

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