第180章

出発までの数晩、彼らは一緒に過ごし、ネロが元の家に残していた荷物を引っ張り出しては仕分けた。新居へ、少しずつ運び込むために。

「これ、なんだ?」

アランが、ネロの前のテーブルを指さす。

ネロは引き出しを空にして、出てきた物を机の上へ山みたいに積んでいた。ぐちゃぐちゃの小物の上に、透明のクリップがいくつか乗っている。いちばん上のクリップには、コーヒー色のカードが挟まっていた。

「……ライトが、初めて俺のところに来たときにくれたカードだ」

ネロは小さく笑った。

「じゃあ、こっちは?」

アランは口をへの字にして部屋を見回し、やがてリビングの隅、床に散らばった一塊を指した。大きなスーツ...

ログインして続きを読む