第187章

テロリストの白いヴィラは、湾に抱かれた闇の中で、ただの黒い塊になっていた。

特殊部隊は三隊に分かれ、海上、地下の排水管、そしてヴィラ背後の山腹――それぞれのルートから、音もなく距離を詰める。

闇の中で人質を誤射しないためだ。各隊は指定位置まで潜り込み、夜明けを待って合図と同時に突入、救出する――それが当初の手順だった。

5時30分。三隊が同時に、最後の前進を開始する。

――その瞬間、湾を揺るがす凄まじい爆発音が轟いた。

続けて、鈍く腹に響く二発目。

数km離れた現場指揮センターは、一気に混乱へ沈んだ。

女の声が、途切れずに呼びかけ続ける。

「イヌワシ、応答して」

「ボス、C...

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