第43章

夜明け。丘の分かれ道の脇に車が一台停まっている。アランは疲れた顔を手のひらでこすり、白みはじめた空を見やった。もうすぐ、完全に明るくなる。

向かいから黒いセダンが滑るように近づき、すれ違う間も音ひとつ立てずに止まった。運転席の窓がすっと下りる。

ハンドルを握っていたのはヒルズ本人だった。

「何の用だ?!」

相変わらず威圧感だけは衰えない。

アランは遠くを見たまま、手にしていたテープを窓の外へ差し出した。

ヒルズは受け取らず、アランを見据える。

「……何だ、それは」

「偶然手に入った」アランはゆっくり言った。「あんたは……聞いたほうがいい」

気づかれない程度に息を吐く。

「...

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