第48章

ジェイスには分かっていた。ヒルが言う「――あの日の朝」が、いつのことを指しているのか。

その頃にはもう、ヒルがケントを連れ帰ってからしばらく経っていた。

ケントが来てからというもの、ジェイスとヒルの距離は目に見えて開いた。たいていの夜、ヒルはケントの部屋で眠り、たまに気まぐれみたいにジェイスのところへ来るだけ。

ある日、日が高く昇ってからジェイスはようやく起きた。昨夜、ヒルは自分のベッドにいた。

キッチンで適当な朝食を見つけ、ホールのいつもの席に腰を下ろした、そのときだ。あの子――ケントが、ふらりと現れた。

「いい声で鳴くんだってね」

「……は?」

一瞬、頭が真っ白になる。相手...

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