第53章

「ジェイス――俺に会ったとき、どうして言わなかった」

ヒルは唇を噛み、しばらく沈黙してから吐き出した。

「あのとき俺が戻ってお前を探しただろ。あの時点で言えたはずだ。そうすりゃ……」

声が掠れる。

「俺はお前を十五年も憎んだ。分かってるのか」

さらに間を置いて、ヒルは低く言った。

「今日、もし俺が知らなかったら――お前はどうするつもりだった。俺に本気で、お前を殺させる気だったのか」

ルイの件を、ヒルは持ち出した。

「言ったら……信じたのか?」

ジェイスの声が、呆れたみたいに落ちた。

「仮に俺が言って、お前が信じたとしてもだ」

ジェイスは首を振る。

「憎しみが消えて、そ...

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