第59章

「ドアを閉めろ」――アランが会議室に入るなり、ネロの第一声が飛んできた。

アランは振り返ってドアを閉める。会議室でネロと二人きりで向き合うのは、これが初めてだ。向かいの男は、皺ひとつないシャツに、感情の読めない無表情。――なら、こっちもそれなりの顔をしてやるしかない。

「このあと会議だ。先に話す。5分だけ」

「アラン」ネロは一度アランを見て、わずかに声を和らげた。「手元にある、特勤課と関係ない案件は全部止めろ」ネロは小さく息を吐く。「捜査時間を使って私用を片付けている、という報告が上がっている。ニミスの件は、お前が感情を持ち込みすぎだ。もう関わるな」

撃たれたばかりだ。ネロが慰めの言...

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