第91章

残業を一日ぶっ通しでこなした週末の午後。ネロが戻ると、家の下にアランが立っていた。

「病院、行って包帯替えてないのか」

アランは、ネロの手にぶら下がる薬の袋を見て言った。

「病院、嫌いなんだ」

ネロは軽く笑う。

「片手で替えられるのか?」

「まあ……なんとか」

ネロは少し気まずそうに視線を逸らした。

「……何日、風呂入ってない?」

アランはまだ彼を値踏みするように見ている。

「え?」

ネロはさらに居心地悪そうに笑って、

「大丈夫。片手でも、一応……洗えるし」

「……そう」

アランはうなずき、踵を返す。

だが一歩も出ないうちに、背後からネロが笑いながら袖を掴んだ。...

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