第97章

夜。気乗りはしなかったが、東区のいくつかの案件をネロに話しておく必要があって、アランは結局ネロの部屋へ向かった。

二人は、ほとんど同時に建物の下へ着いた。

ネロが鍵を開け、二人で中へ入る。ネロは屈んで、ドアの下に差し込まれていた黄ばんだ紙と白い紙を数枚拾い上げた。

「何だ、それ」

着替えを済ませて出てきたアランが、紙片を見つめるネロの表情に気づいて訊く。

「別に。管理会社からだ」

ネロは自嘲気味に笑い、紙をその辺へ放り投げると、さっさと着替えに引っ込んだ。

ハサンの件が尾を引いているせいか、二人ともセックスに乗り気になれない。形だけ、雑に済ませた。

行為が終わったあと、部屋の...

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