第5章

彩羽の視点

 フラッシュの光で、網膜が焼き尽くされそうだ。

「栗山さん! 『ベルベット・ドーン』のコアノートは『ハウス・オブ・ノワール』からの盗作だというのは事実ですか!?」

「パリでの実習期間中に、彼らの配合アーカイブに不正アクセスしたのですか?」

「彩羽さん! こっちを向いて! この訴訟について何か申し開きは?」

 私はその場で凍りついた。

 五分前まで、私はこの業界で輝かしい新星だった。逆境を跳ね返した「使用人の娘」。それが今やどうだ? 詐欺師。泥棒扱いだ。

「誤解です」私は声を絞り出した。けれどその声は、ベルベットのパーティションロープを押し倒さんばかりに詰め寄るメディ...

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