第14章 手に入れる

海辺の別荘の白い柵の前で、片瀬奏太は片瀬奈菜の手を引き、陽だまりの中に立っていた。

片瀬奈菜はピンクの小さなワンピース姿で、ころんと丸い苺飴みたいだ。黒いベントレーが近づいてくるのが見えた瞬間、その目がぱっと輝いた。

瀧本知暁は車を降りてもなお、祖父からかかってきたあの切迫した電話のことを考えていた。

子どもの相手など、これまで一度だって得意だと思ったことはない。むしろ苦手で、できれば距離を置きたいくらいだ。

けれど、片瀬奈菜が短い足でとことこと駆け寄ってきて、小さな顔を見上げながら、甘い声で「おじさん、こんにちは」と挨拶した、その瞬間――祖父の気持ちが不意に分かった。

大きくてま...

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