第41章 新しい会社

片瀬澄乃は「ははっ」と乾いた笑いを漏らした。子どもを芸能界に入れる気なんて、さらさらない。前谷琴音はたしかに抜けているところがあるけれど、子どもたちのことは本気で可愛がっている。琴音が見ている限り、取り返しのつかない事態にはならないだろう。

澄乃は器の中の卵を、箸先でつん、とつつく。

「好きに遊ばせて。勉強の邪魔にさえならなければいいわ」

朝食を終えると、片瀬澄乃はきりっとした黒のスーツスカートに着替え、新しい会社へ向かう準備をした。

瀧本グループから託されたブランド『緋色』は、グループ内でもトップクラスの稼ぎ頭。しかも、瀧本グループ本社ビル内に三フロア分の区画まで付いてきた。一階は...

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