第44章 開業

開業初日、瀧本グループ本社ビルの外は、メディアでぎっしり埋まっていた。

J市の名家の奥さまたちがヒールの音を鳴らしながら続々と到着する。ひときわ目を引いたのは、先日も顔を見せたあの夫人だ。片瀬澄乃が徹夜で仕立てた改良ロングドレスをまとい、会う人会う人に自慢して回っている。

「これが本物のオートクチュールよ。どこぞの紛い物とは、比べものにならないわ」

前谷さんは親友の腕にすがるようにしながら、ショーウィンドウに並ぶドレスを指さした。

「聞いた? このデザイナーチーム、昔の御華を支えた功労者たちなんだって。片瀬結希に追い出された、あの人たち」

ざわめきの中心を、白井おばあ様が車椅子でゆ...

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