第46章 反論

展示ホールのフラッシュはまだ狂ったように瞬き、渡辺鳴の顔は勝ち誇った興奮で赤く染まっていた。背後の記者たちは、もう見出し案を打ち始めている――『緋色ディレクター、盗作で成り上がり』。

いま、片瀬澄乃は輪の中心で矢継ぎ早に問い詰められている。普通なら頭を抱えて当然の場面だ。それなのに彼女は、まるで舞台の真ん中に立つ役者みたいに、背筋を伸ばしていた。

ふいに、澄乃が口を開く。

「渡辺さんは、私があなたの『羽化』シリーズを盗作したって言いましたよね。だったら皆さんに見てもらいましょう。本物のオリジナルが、どんなものか」

言い終えるや否や、側面の扉が開いた。楠田昭一が、赤い布をかぶせた展示台...

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