第48章 心配

薄暗い廊下の灯りが、片瀬澄乃の寂しげな背中をぼんやりと照らしていた。

前谷琴音は堪えきれず、吐き捨てるように言った。

「瀧本知暁って目ついてんの? 片瀬結希みたいなぶりっ子の言うことは信じて、あんたのことは信じないなんて!」

片瀬澄乃は答えなかった。ただ、迷いのない足取りで前へ進むだけ。

今さら何を言ったところで無駄だと、分かっている。瀧本知暁は片瀬結希に対して思い込みが深すぎる。決定的な証拠でもない限り、自分の言葉など届かない。

それでも、諦めるつもりはなかった。

片瀬結希がここまでやった以上、どこかに必ず綻びはある。

時間ならある。根気だってある。ひとつずつ、その綻びを拾い...

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