第7章 御華

「最近の御華、どうしてこんな有様になってしまったのかしら……」

すぐそばで、オーダードレスの袋を提げた貴婦人が二人、声をひそめて囁き合っていた。

「数年前にここで仕立ててもらったときは、縫い目ひとつ取っても本当に見事だったのよ。なのに先週、新しく作らせたスーツを受け取りに来たら、採寸したデザイナーはサイズもろくに測っていないみたいで、全然身体に合わないの。生地だって、見ただけで粗いって分かるくらいだし」

「ほんと、それよね。今は取り仕切ってるのが、先代社長のご主人の連れ子だって聞いたわ。デザインの何が分かるっていうの。どうせ、ここを金儲けの道具としか思ってないのよ。生地はごまかす、デザ...

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