第7章

 その茶番劇は、最後には大混乱へと変わった。真樹は通用口から外へつまみ出され、その背中をハイエナのような記者たちがどこまでも追い回していった。

 だが、私は警察に彼の身柄を確保させるような真似はしなかった。まだ、その時ではない。

 順平がちらりと私に視線を送る。理由は訊かない。わかっているからだ。

 私は見たかったのだ。奴らが互いに食い合い、破滅していく様を。

 その夜、事件はニュースで大々的に報じられた。「天才画家、実の娘の殺害を画策か――妻の作品盗用疑惑も浮上」。見出しはどれも、次々と過激さを増すばかりだ。スタジオでの映像と録音データは瞬く間に拡散され、コメント欄は怒号の嵐と化し...

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