第33章 彼は一度も変わったことがない

七海は、もういい加減――彼のあの態度に、心の底からうんざりしていた。

苛立ちのまま足を振り上げ、風間悠希のつま先を思いきり踏みつける。

不意を突かれた男は、反射的に七海を突き飛ばした。

「っ……!」

踏ん張りきれず、七海はよろよろと後ずさる。肘が棚にゴンッと当たり、足首もぐきりと捻れた。次の瞬間、床へ崩れ落ち――ドン、と大きな音が屋敷に響く。

それを見た水原美月が、慌てて風間悠希へ駆け寄った。

「悠希、大丈夫?」

風間悠希は我に返ったように首を振り、すぐさま七海へ視線を向ける。眉間がわずかに動き、ほとんど無意識に水原美月の手を振りほどいて、七海を起こそうと二歩踏み出した――が、...

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