第38章 同じベッドで一夜を共にする

「風間社長、黙ってたほうがいいですよ。次は、ちょっと強め……なんて程度じゃ済まないんで」

七海はそう言いながら、手の力をふっと緩めた。

他人には分からない。けれど彼女自身がいちばんよく分かっている。

その気になれば、風間悠希のこの傷など一か月は治らせないことだってできる、と。

今度の風間悠希は素直だった。もう何も言わない。

七海の指先が薬をのばし、彼の背中をなぞる。

沈黙しているぶん、その感触だけがやけに鮮明に伝わってきた。

――何なんだ、俺は。

風間悠希は目を伏せたまま、胸の内で思考だけが巡る。

どれだけ考えても答えは出ない。

いつからだ。

七海のことが気になって仕方...

ログインして続きを読む