第41章 自分の心がよく見えない

風間悠希は相手の言葉を聞くと、手にしていた雑誌を置き、顔を上げて男を見た。ふっと笑って、淡々と言う。

「へえ。白川院長にも、怖いものがあるんだ」

彼の言う白川院長とは、中央病院の院長――白川康介のことだ。

「風間社長。いくら私が腕のいい医者でも、人間です。心臓はロボットみたいな負荷に耐えられませんからね。怖いことだってありますよ。とくに、あなたみたいに突然現れると」

白川康介はそう言いながら、風間悠希の表情が微塵も動かないのを見て、深く息を吐いた。先ほどまでの冗談めいた空気を引っ込める。

「で。今日わざわざ呼び出したのは――また、おじいちゃんの件ですか?」

風間悠希は小さく「ん」...

ログインして続きを読む