第78章 すべては彼女のおかげ

店長はその言葉を聞くなり、すぐさま飛んできた。

いかにも人の良さそうな顔をしている男だったが、麺に絡みついた髪の毛を目にした瞬間、ほとんど反射で頭を下げる。

「申し訳ありません! すぐ新しいのをお持ちします」

石川佳純は食欲など最初からないとでも言うように、ひらりと手を振った。

「いいわ。こんな衛生状態じゃ、誰がここで食べるのよ。毒でも盛られたらたまったもんじゃない」

そう言って立ち上がると、当然のように店長へ手を差し出す。

「髪の毛が入ってたんだから、賠償するのが筋でしょ?」

店長の顔色が、さっと変わった。さっきまでの温厚そうな様子は跡形もない。

石川佳純を睨みつけ、吐き捨...

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