第8章 実の母親に薬を盛られる

水原美月はすでに通話を切っていて、顔色はひどく悪かった。

安田恵のことなど、彼女は知らない。会ったことすら一度もない。

そう思うと、自然と視線が風間悠希へ落ちる。美月は探るように、慎重に口を開いた。

「悠希兄……安田先生と、何か揉めたことあるの?」

さきほどサーキットのオーナーが伝えてきた言葉は、自分だけを罵ったものではなかった。美月はそれを忘れていない。

風間悠希は答えない。ポケットからスマホを取り出し、安田恵のLIMEを開いて通話をかけた。

一回目。ツー……と鳴る前に切られる。

二回目。同じ。

三回目。画面に表示されたのは、冷たい文言だった。

『相手はあなたを友だちに追...

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