第86章 運命とは本来こういうものだ

それに彼女も、もう若くはない。自分の老後の逃げ道だって考えなきゃいけない。100万じゃ贅沢はできないにしても、少なくとも食いっぱぐれはしない。

石川佳純は深く息を吸い、感情の波を押し沈めた。これから口にする言葉を、隙のないものにするために。

「七海ね、別にこのお金を渡したくないわけじゃないの。ただ、この前病院で検査したら、お医者さんにね、身体の土台がすごく弱いって言われて……ちゃんと栄養をつけて、しばらく養生しないといけないんだって」

一拍置き、さらに言い募る。

「それに、風間家は大きい家でしょう? この程度のお金で困るような家じゃないはずよ。だから……もう、いいじゃない。お願い、私...

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