第90章 友達ならば

七海はそっと視線を落とした。断る理由が、どうしても見つからない。

それを見た牧野龍哉は、また眩しい笑みを浮かべる。

「ほら、言っただろ。俺と友だちになったら、楽しいって」

そう言ったあと、今度はどこか恨みがましい声になった。

「……惜しいな。俺たち、出会うのが遅すぎた」

七海は確信した。やっぱり、今日の彼はどこかおかしい。

「遅くないよ。あなたが友だちだって言うなら、友だちは一生のこと。いつだって、遅いなんてない」

牧野龍哉は一瞬きょとんとした。七海の揺るがない目を受けて、困ったように肩をすくめ、ふっと笑う。

「じゃあさ、友だち。俺が飯おごるの、もう拒否しないでくれる?」

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