第18章 支配的なキス

清水若菜は伏し目がちにグラスの中の酒を見つめたまま、何も言わなかった。

「ほかの人にはごまかせても、あたしにはわかるよ」

若菜が黙っていると、石原汐里は声を詰まらせた。

「女が三年も隠れて結婚して、自分の将来まで投げ出して、一緒に苦労して、あの人の重荷まで全部背負うなんて……理由が愛じゃなかったら、何だっていうの?」

「温井有紗が戻ってくるまでは、名取賢次は若菜に釣り合わないって思ってても、若菜が幸せならそれでいいって、あたしだって応援してた。けど今はどう? あんなにひどい目に遭わされて、それでも何もしないまま引くつもりなの?」

「そんなの、あたしの知ってる若菜じゃない」

若菜は...

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