第9章 評価を得る

清水若菜は病院で数日休み、体調も少しずつ戻ってきていた。

そんなある日、千野教授が果物を提げて見舞いに来る。

青白く、やつれた顔を見た瞬間、教授の目に痛みが宿った。

「若菜……お前は本当に、人を心配させる子だな」

清水若菜は鼻の奥がつんとし、かすかに頭を下げる。

「すみません、先生……」

「謝るな」千野教授は手を振った。「お前が謝ることじゃない」

教授はリンゴを一つ手に取り、皮をむきながら、ゆっくりと言葉を紡いだ。

「今日は二つ用がある。ひとつは顔を見に来た。もうひとつは――来週、国内最高峰の医学シンポジウムがある。お前を連れて行く」

清水若菜はわずかに目を見開き、反射的に...

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