第6章

 私の問いかけを耳にして、平野光希の表情が凍りついた。

「サラー、レストランでの件で怒ってるのはわかってる。でも話し合おう、な? 俺たちならできるはずだ」

「離婚届にサインをしていないのなら、話すことなんてないわ」

「あれは事故だったんだ! 本能的な反応だったんだよ!」

 平野光希の声が不意に跳ね上がる。まるで自分こそが不当な扱いを受けている被害者だと言わんばかりに。

「銃を持った男がいたんだぞ! あたりはパニック状態で、まともに思考なんてできなかった! 俺はただ、美由と空が近くにいたから、とっさに手を引いただけなんだ。もし君が俺のすぐそばにいたら、間違いなく君の手を引いてた!」

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