第7章

 平野光希の声は、酷く酒焼けし、泣き声とヒステリーが入り混じっていた。

「サラー、小崎美由を追い出したよ。あいつの家に行って、空の前で罵ってやったんだ。僕の結婚生活を壊したのはお前だ、僕の人生から消え失せろ、二度と連絡してくるなって……ほら見て、君のためなら何だってできるんだよ。邪魔者はみんな追い払った。これからは僕たちだけだ。ね? いいだろ? 戻ってきてくれよ、家内、頼むから……」

 その言葉を聞いた瞬間、背筋に冷たいものが走った。吐き気すら覚える。

 この期に及んでも、彼は問題の本質を何一つ理解していないのだ。全ての責任を小崎美由に押し付け、自分はさも無垢な被害者であり、あの女にた...

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