第20章

【寒季、松本彩世って……わざと私に当てつけてるの? あれ、もともとあなたが私に買ってくれたものじゃない。私がいちばん好きなネックレスなのに。あの女、気に入らないからって、どうしてあなたの気持ちまで踏みにじれるのよ……私を侮辱してるんだよ!】

画面いっぱいの泣き言を見た瞬間、新谷寒季の頭に、どす黒い怒りが一気に噴き上がった。

いま彼の脳裏を占めているのは、松本彩世の冷え切った横顔と、手綱が切れたような焦りだけ。浮気相手を甘やかす余裕など、欠片もない。

青筋を立てたまま、指先で乱暴に文字を打ち込む。

【黙れ。騒ぐな】

送信すると、スマホを膝の上に伏せて置き、そのまま二度と画面を見なかっ...

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