第47章

「立花社長から、あなたの大まかな状況はすでに伺っています」

夏川遥はノートパソコンを開いた。画面いっぱいに、びっしりと数値とグラフが並ぶ。

「新谷寒季は帝都での根が深い。普通に資産を売って送金したら、あの人の財務チームがすぐに嗅ぎつけます」

松本彩世は笑みを引っ込め、重い面持ちでうなずいた。そこが、いちばん怖いところだった。

「でも先輩、安心してください。私は表の道は使いません」

夏川遥は一通の資料を差し出し、段取りよく説明を始める。

「先輩名義で、お祖父さまが残された不動産が数件ありますよね。あれはオフショア信託を噛ませて、持分の譲渡という形で切り離します。資金は分割で、複数口...

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