第139章 試合

茅野芽衣は目を細めた。

「売った? どこに?」

小林昭は首を横に振る。

「聞きました。でも、桜庭晃は答えませんでした」

芽衣は、小林にできることが限られているのを分かっている。無理に追及はせず、視線を落として小さく言った。

「分かった。じゃあ、この件はここまででいい」

けれど胸の奥では、はっきり確信していた。

桜庭晃が車を手放したのは、絶対に何かある。――物証を消すため、だ。

売られた車は、いずれ解体されて廃車になるだろう。仮に見つけたところで、もう何も出てこない可能性が高い。

手がかりはここで途切れ、事故の調査も、ひとまず打ち止め。

芽衣は、悔しさに息を吐いた。

――...

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