第20章 家に乗り込んでくる

桜庭医師は、ひと通り言い終えた瞬間に、もう言い逃れする気力すら失っていた。

顔色を灰色に落とし、茅野芽衣に懇願する。どうか、この件を外に漏らさないでほしい――その見返りとして、茅野美月から受け取っていた「手当て」のすべてを、その場で洗いざらい吐いた。

さらに、「今後は奥様の言う通りにします。茅野美月には二度と、何ひとつ漏らしません」と、震える声で誓いまで立てた。

そして、相馬瑛太のほうは。

家を出たあと、今夜は会社で寝るつもりだった。だが途中で茅野美月から連絡が入る。体調が悪いから、様子を見に来てほしい――。

瑛太は胸の奥の苛立ちを噛み殺し、茅野家へ向かった。

玄関をくぐった瞬間...

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