第28章 相馬瑛太に害された

「電話、出るの遅すぎない?」

受話器の向こうで、山田未祐が弾むように笑った。声の調子は明るく、軽い。

「こんなに連絡してなかったら、もう私のこと忘れちゃった?」

茅野芽衣は、はっとして回想から引き戻された。

山田未祐――大学時代、いちばんの親友。

けれど未祐はその後留学し、相馬悠真と同じく医療の世界に飛び込み、目の回る忙しさに追われる日々になった。

そのうえ芽衣も、相馬瑛太の仕事を支えるのに精いっぱいで、自然と連絡は途切れがちになっていった。

ようやく学業を終えて帰ってきた未祐が、真っ先に芽衣を思い出してくれたらしい。

「何年分もまとめて、ちゃんと飲まなきゃ! 絶対ね!」

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